関数電卓ベンチマークテスト!

ふらりとWebを徘徊していたら、いつも見ているサイト
関数電卓マニアの部屋

「Natural Display機で数値積分」
というコラムが追加されていた。


数値積分の出来る関数電卓で同じ計算をし、その使い勝手と計算速度、計算精度を比較しようという物。なかなか興味深い実験だったので、筆者も手持ちの関数電卓(の一部)で同じ計算をさせてみた。


その結果は以下の通りとなった。


(注)計算結果に特記がない場合は、1。測定方法は、片手にストップウォッチを持って測定し、1/100秒の位を四捨五入した。よって、測定誤差は多分に含まれているので、その辺にはつっこまないように。

fx-370ES

28.3秒

数学自然表示の機種なので、特に迷うことなく入力。ただし、訂正するときのカーソル移動はやや面倒。こんなもんかな、の計算速度。

F-788dx
13.3秒、結果は1.000000463

計算速度は速い。が、結果はいまひとつ。どこまで精度を求めるかによって使えるかどうかが決まるだろう。SHARP機種の様に分割数(n)の指定が出来ないので、時間はかかっても良いから精度を高める、ということは出来ない。

fx-5800P

10.1秒

こちらも数学自然表示対応。プログラマブルな分、CPUは早いのか。個人的には結構気に入って使っている電卓である。

fx-4800P

22.46秒

fx-5800Pの旧機種。こうして比較すると、計算速度は大きく異なっている。
かなり昔に初めて買った関数電卓EL-5010が不調になり、買い換えた機種。このころはまだ”それほど”電卓にはまっていなかった。

EL-5060

18.3秒、計算結果は1.000001677(n=100のとき)。

正確な値が出るまでnを50ずつ増やしていくと、n=500で計算結果が1になった。
n=500のときの計算時間は1分29.3秒。

EL-5250

9.6秒、計算結果は1.000001676(n=100のとき)。

n=500で計算結果は1になり、そのときの所要時間は46.0秒。
EL-5060と比べると計算速度は全般的に速いことがわかる。EL-5120の後継機種で、かなり凝ったプログラムが作れるため、主な用途がプログラムで遊ぶことになっている。純粋に関数電卓として使う場合、シャープならEL-509E(EL-509Fではない!こちらは中身がEL-520Eなので使いにくい)あたりの方が手頃である。

EL-5250F

9.6秒、計算結果は1.000001676(n=100のとき)。

n=500のときは46.6秒。
EL-5250から何が変わったのだろうと思って買ってみたが、色しか変わっていなかったというオチ。そのあたりに転がしておくと、ちょろっとプログラムを書いて走らせて何かを求めるようなときに便利なので、まぁよしとする。

CFX-9850GC PLUS

4.8秒。

カラー(3色)表示のグラフ電卓である。3色表示のため、ディスプレイのコントラストが低く、見にくい。だからなのか、後継機のfx-9860Gではハイコントラストで見やすい液晶を売りにしている。
グラフ機能についてはまぁまぁなのだが、数値積分はもとより、ちょっとした関数を呼び出そうとするとメニューが深い上に一覧性が低く、扱いにくい。かなり使いはしたが、人には勧められない。

EL-9900

1.9秒。

本機もグラフ電卓である。しかも、シャープ唯一(EL-5160がまだ発売されてないため)の”公式通り入力・表示”(カシオで言うところの数学自然表示だが、一部違いもある)である。よって、入力は簡単かと思いきや、インテグラルの記号を呼び出し、式を入れ、さらにdxを呼び出すという、手間がかかる。しかし、CFX-9850GCに比べれば、メニューの一覧性が高いため探しにくいわけではない。
計算速度はここまでのテストで一番速い。また、他のシャープの機種のようにnを指定する必要もない。ま、本機についてのレビューを書き始めると長くなるので、このあたりにしておこう。

TI Voyage200

瞬時に表示されたため、計測不能。計算結果は ((e^200)-1)*e^(-200)。

最初から近似解を計算させると、結果は1、10.4秒かかる。
本機は数式処理電卓なので同列に比較するわけにはいかないが、計算結果がおもしろかったので載せてみた。
eで表された式を関数電卓で再度計算すれば、一瞬で1を表示する。Voyageでもこれは同様なので、それほど時間がかかるとは思えないのだが、積分式から近似解を求めさせると時間がかかってしまう。

その他

現在手元にないが、fx-9860とTI-89でも後日計算し、その結果を載せようと思う。
また、シャープやカシオのその他の機種についても、手持ちの機種で順次計測してみる予定だ。


そうそう、これらの実験は、特にマニュアルを見て操作方法を確認しているわけではないので、より適切な方法があるのかもしれない。また、EL-9900以外のシャープ機は、積分機能を使って計算するため、積分式の前に数値を書くことが出来なかった。そのため、積分の結果を4倍した値を記載した。なので、厳密には積分結果に4をかける時間がわずかではあるがかかっている。