PDAの使い分け(2) & NZ90レビュー

それではCLIEについて細かな使い勝手を含めつつ、その使い方をまとめてみる。

NZ90が来てからと言うもの、移動中はほとんど手に持っているような状態である。満員電車ならば片手で吊革を、もう片方の手でNZ90を持ち、ネットで買った本を読んでいる。乗車前にターンスタイルにしておいた方がじゃまにならなくてよい。片手で持つと少し重いが、見やすい画面を考えればまぁ許せる程度である。ハイレゾCLIEはフォントが非常にきれいなのである。もう少し大きめの文字もあってよいと思うが、この画面に慣れてしまうと昔のPalmには戻れなくなる。やはりギザギザの文字よりもなめらかな方が快適なのだ。また、NZ90の画面は非常に明るい。明るさを最低にしても十分なくらいである。なるべくバッテリーの消耗を押さえるためには、程々に暗く(それでも十分に明るいのだ!)しておいた方がよいだろう。

意外に便利なのがボイスレコーダである。長時間の会議を録音するようなことはほとんどしないので(聞き返すために同じ時間がかかるから)、手持ちのボイスレコーダで十分なのは確かである。口述するようなときも、ボイスレコーダ専用機の方が軽い分、使いやすい。ただ、すぐ取り出せる場所にCLIEが入っていることが多くなると、わざわざボイスレコーダを取り出すよりもすぐに出るCLIEで録ってしまった方が早い。また、机上に置いて使うときであれば、大容量のメモリースティックを使って録ることも出来る。メモリースティックやSDカードが使えるボイスレコーダは結構高いが、中古のCLIEならかなり安く買える(しかもタイトルをつけたりする事も簡単である)ので、録音をメインに考えてCLIEを手に入れるというのも有りかもしれない。今はメモリースティックも512MBで7000円を切る安さである。特定機能に的を絞って(そして残りの機能はおまけと思って)使うというのは、ある意味もっとも満足のいくPDAの使い方かもしれない(そうして用途別に何台も増えていくのだがw)。

CLIEではおなじみのことながら、添付のソフトが非常に多い。とても16MBのメモリには入りきらないほどである。そのなかで、ちょっと使ってみたくなったのがNavin'You Pocket2である。以前チャンドラでNavin'Youを使っていた頃に欲しかったのがこのソフト(とCLIE)だった。最近ではSONYが販売を終了したことと、家ではMapfan.Net、外ではEzナビウォークというのが定着しており、ほとんど使ってはいなかったのだが、詳細版を含めたいくつかの地図データも持っている。これは使ってみるしかない。

Map CutterというソフトがCLIEに付属しているので、こちらをインストール、起動すると読み込む地図を選択するダイアログが現れた。地図データはCD-ROMで提供されているのだが、これをHDDに取り込んで使用することが出来る。最近の大容量HDDが普通になってからは関東、東北、北海道の詳細版と、全国版の地図を取り込んである。この中かまずは関東詳細版を開き、試しに自宅近くと秋葉原周辺を切り出してみた。メモリースティックCLIEに入れてNavin'YouPocketを起動すると、あっさり地図が表示されて拍子抜けした。MapCutterで切り出すときはブロック上のエリアを選ぶだけだが、実際は複数の縮尺で取り込めるようだ。ジョグダイアルをくるくる回してスムーズに縮尺が変わっていく様は、なかなか楽しいものだ。それが(少し大きいとはいえ)手のひらに納まるのだ。すごいことである。これが3年近くも前のマシンで出来るんだからまたびっくり。だが、今だからうれしいこともある。メモリーが安いのだ。かつて128MBのメモリースティックが安売りで1万円はしたというのだから、適当に512MBあたりを選んでも7000円を切っているこの状況を歓迎しないなんてことがあろうか。ちなみに512MBの容量があれば、思いつく限りのエリアを切り出したとしても十分な容量だ。なんなら地図専用に1枚用意してもよいくらいだ。mioのような一部のPDA以外で、これだけ簡単に地図を持ち歩ける端末も少ないだろう。ちなみに128MBのメモリースティックでも東京23区の地図及び検索用のポイントデータを十分に入れられる。地図ビューアとして安いCLIEを手に入れるというのも賢い選択だろう。
ちなみにPIMとしても十分使えるのだが、常に持ち歩くのは難しいかもしれない。普通にPIMとしてだけ使うのであれば、もっと小型でGraffitiが使いやすい機種の方がよいかもしれないが。

通信用端末としてはどうだろうか。基本的に無線LANが使えるので、自宅でゴロゴロしながら通信したり、ホットスポットでさくっと調べものをするのは全く問題がない。移動中に使おうとすると、つくばエクスプレスを除いてAir-Hということになる。CFスロットはあるので、ドライバさえあればたいていのAir-Hが使える。ただ、そのスロットが本体の下側にあるというのはアンテナを立てるときのじゃまになる。開発者の方の話ではここしか場所がなかったとのことだが、じゃまなものはじゃまっである。ちなみに無線LANカードの場合は稼動部分がないためそれほど気にならない。ついでに言うと、カードを指してないときのダミーカードもいただけない。どうせならシャッター型のカバーにして欲しかった。

ただ、屋外での通信がそれほど重要かというとそうでもなく、たまに調べものをする程度なので、Bluetooth対応携帯電話でダイアルアップ接続するか、ケーブル接続でもよかったかもしれない。無線LANはまだ屋内中心で使った方が便利だろう。もっとも、あと1年もすれば都内のホットスポットが劇的に増えるであろうから、そうしてら屋外でも普通に使えることになる。

結局、ほとんどNZ90のレビューになってしまった。書きかけになっていたレビューの続きも兼ねてということにして、このシリーズは一旦終了としよう。